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The Forge
February 16

The Forge: ガンプレイ

"ガンプレイ"または"ガンフィール"とは、ビデオゲームで武器を発射する際の音声や動きで得られる感覚のことです。これに関連して一番に追及されなくてはならないのが"感覚的な快楽"です。

 

こんにちは

『Steel Hunters』の武器管理に関連する今回の記事では、このゲームで最も重要な側面の1つをどのように扱っているかについて、詳細な洞察をお伝えします。

 

楽しい探検だ

Sky_Linx

 

目的

銃は、その規模に応じた適切な重さとインパクトを感じられなくてはいけません。マズルフラッシュ、反動、衝撃波、インパクトなどのSFXやVFXで表されるフィードバックは、サイズと一致していなくてはいけません。ガンプレイは体系的かつ戦術的であるべきで、武器の重量とサイズを反映した慣性により、武器が所定の位置に移動するまでに時間を要するものでなくてはいけません。インタラクションは性急なものではなく、遅くじっくりとした銃の動きで、重厚に感じられなくてはいけません。

スティーブ卿の身長についてはうのみにしないでください。この画像は現代成人の平均身長を示すためのものです。Razorsideの武器の正確な高さは2.07mあります。

留意点

最も重要なことは、ガンプレイが予測可能で一貫していなくてはならないということです。しかし、私たちのタイトルにおけるガンプレイに関する重要な課題のひとつが、三人称視点カメラです。

カメラと武器の銃口との間のオフセットを処理する必要があります。これを怠ると、スクリーン上のレチクルがプレイヤーに示す場所にショットが着弾しないことになります。この問題に対する完璧な解決策は一つではなく、ゲームによって採用するオプションは異なります。それぞれにプレイヤーにとってのメリットやトレードオフがあり、これは基本的な機能の問題になります。

ガンプレイは、この問題の第2のレイヤーといえます。たとえ銃が機能しても、誰も銃で遊びたがらなければ意味がないからです。カメラエフェクト、VFX、オーディオなど、武器の背後にある感覚を生み出すためにさまざまな要素が一度に作用する集大成がガンプレイです。三人称視点の場合、武器が画面上で占めるスペースが少なく、プレイヤーから見えにくいため、この空想を実現するのはより困難になります

 

ラウンド1: 発射の状態

武器は発射されるたび、ニュートラル > 発射シーケンス > 武器アクション > リカバリーというシーケンスを経ます。これらの状態がシンクロするほどに、武器の"興奮"は増すように思えます。発射シーケンスだけでも、短い時間枠の中で次のような数多くのエフェクトやアクションが発生します。

  • マズルフラッシュまたは衝撃波のエフェクト
  • 弾丸の発生
  • 弾丸に関連するSFX
  • 銃/キャラクターへの反動
  • カメラの揺れ
  • 照準レティクルの広がりの変化(不定期)

武器アクションとは、武器が発射されることによって発生する武器の動作のことです。具体的には、ハンマーの引き戻し、弾丸の発射、薬莢の排出、それぞれの銃器に合わせた効果音の発生などが挙げられます。しかし、特にフィクションの環境では、武器に特別な動きを追加することができます。これに続くのがリカバリーと呼ばれるフェーズで、次の使用に向けて武器を準備する重要なインターバルとなります。全体的なシーケンスには、通常0.1~0.3秒というコンマ数秒で終わるパートが複数含まれますが、より多くの時間が費やされるのがリカバリーフェーズです。このフェーズは、ハンターが射撃後、いかに早く準備態勢に戻れるかに影響するため、極めて重要です。現時点でハンターたちがリカバリーに要する時間は0.6~1.2秒と幅があり、武器の選択と固有の性能に影響されます。一般的に、重い武器を選ぶとリカバリーの時間が長くなります。より強力で重要な銃器を扱っている感覚を伝えることで、プレイヤーのゲームエクスペリエンスを高めることができます。

 

ハンターは決してひるまない

ハンターがひるまないのは、彼らが巨大で頑丈だからであり、その点において人間やゲーム中に登場するドローンとは一線を画しています。

ハンターとは対照的に、ドローンは衝撃を受けるとわずかに反応し、自身が受けた力の大きさを示します。しかし、正確な表現の追求は続いており、現在はクリティカルダメージエリア内でのヒットとエリア外でのヒットを区別できないことを問題視しています。今後のアップデートでは、より洗練されたエフェクトの実装を目指し、その規模や聴覚への影響と、ゲームプレイへの全体的な影響との均衡を注意深く保っていきます。

さらに、ハンターが使用する弾薬の規模や、その結果として生じる影響については、まだ改良の余地があります。例えば、Razorsideの20x138mmの砲弾は、現在よりもかなり大きな衝突クレーターを作るものと考えられます。

また、ハンターがひるまないという方針は完全に決定したわけではありません。現在は、ハンターの力強さを損なわずに武器の威力を伝えるリアクションの選択肢を模索しています。

 

インパクトフィードバック

"インパクトフィードバック"とは、発射した弾丸が物体に当たったときにプレイヤーに示される反応のことです。このフィードバックは、弾丸が何に当たるかによって異なります。例えば、敵のハンターに命中すれば火花が散り、クリティカルヒットの場合は小さな爆発が起こります。逆に、地面を直撃すれば粉塵や破片が飛び散り、建物が崩れることもあるかもしれません。大まかに言えば、インパクトフィードバックは、弾丸とそれが衝突する物体との相互作用によって決まります。私たちは現在、より迅速かつ明確なターゲットフィードバックシステムの開発と改良に注力していますが、これは約束されたものでも保証されたものでもありません。

刻一刻と変化するガンプレイ

一部のサードパーソンシューターでは、ヒットスキャンシステム(シューターの照準から瞬時に命中を判定する命中判定方法)が画面中央からレティクルに向かって発信されます。この仕組みは、キャラクターとその武器が画面の中央に近いときにうまく機能します。『Steel Hunters』のようなタイトルでは、ヒットスキャンは武器の銃身そのものから発信されます。これにより、画面中央からの射撃で生じるいくつかの問題を防ぐことができますが、プレイヤーが撃とうとする場所と、実際に弾丸が狙う場所との間にズレが生じます。

『Steel Hunters』では、キャラクターのサイズが原因で、武器とカメラのオフセットが他のサードパーソンシューターと比べて特に大きくなります。これによって他のサードパーソンシューターにない新たな問題が生じるわけではありませんが、既存の問題は深刻化します。カメラはハンターの肩越しに配置され、武器と画面中央の間隔が広くなっています。これによって視野が広がり、遠距離戦闘が容易になるとともに、ハンターの重量感と存在感が強調されています。

ターニングポイントディスタンス(TPD)システムを使うことで、弾道と画面上のレティクルを合わせることができますが、これに関してもまた別の問題があります。現在、別の解決策を検討しているところです。

開発では、動的照準オフセットシステムを導入し、照準精度とインタラクティブ性を向上させようとしています。

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弾丸フライバイ

映画で、弾丸がぎりぎりで主人公に当たらなかった場合、シュッという音とともに画面に火花が散ることがよくあることにお気づきでしょうか。私たちはこうしたフィードバックに説得力を感じ、それをゲームに取り入れることを目指しています。シンプルで目に見えないコライダーをハンターに取り付けることで、この効果をシミュレートすることができます。弾丸がハンターを外れて通過した場合、サウンドキューがニアミスを知らせます。

まとめとして、この記事がプレイヤーの皆さんの心をつかむことを願っています。今週は、ゲームのメカニズムや開発分野についての洞察を、技術的に有益な情報が得られると同時に魅力的な形でお届けすることに力を注ぎました。

 

お気づきでしょうか…?

この記事は、動作と バランスに関する前回の記事  とはアプローチが異なります。私たちは現在、さまざまなスタイル、アセット、視点を紹介することで、このForgeに命を吹き込んだ特別な舞台裏の洞察を提供し、このシリーズを私たちの目指す開発者とプレイヤーの祭典の場にしようとしています。『Steel Hunters 』自体がそうであるように、開発チームもまた、市場に出回っている他のすべてのタイトルとは一線を画しています。

Discordチャンネルや近日公開予定のフィードバックフォームを通じて、皆さんのご意見をお聞かせください。フィードバックは、ゲームの改善だけでなく、今後のコミュニケーションを調整するのにも役立ちます。どのスタイルが一番快適だったか教えてください。次回のアップデートにもご期待ください。皆さんからのフィードバックをお待ちしています。また、バトルへの欲求を満たすチャンスを決してお見逃しなく。

これからも『Steel Hunters』をよろしくお願いします!