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December 13

マッピング・ザ・ワールド: クリムゾンリッジ

マップ制作のどの段階においても、私たちのチームが注力するのは『Steel Hunters』を特徴づける中核的なゲームプレイです。それを頼りに、私たちのデザイナーは、非常にユニークかつ視覚的に魅力的な場所を作り、そこでプレイしてもらえることを目指します。2つ目のマップ、クリムゾンリッジの構想を練りながら、チームはメリーランドハイツの設定時に踏破した道をたどり、インスピレーションを得るために再びアメリカに視線を向けました。

参考資料

同じ国の影響を受けていながら、クリムゾンリッジはビジュアルの面でメリーランドハイツとまったく異なります。クリムゾンリッジでは、険しい砂岩の渓谷の壁とサボテンが生い茂る風景に出迎えられ、奇妙な形や大きさの岩石に囲まれます。灼熱の大地に金色の砂が吹きつける埃っぽい地形に加え、鮮やかな青空の下に見える光景に魅力を感じてもらえるでしょうか。

マップのバイオーム(全体的な環境と植物相)を決める際の地理的なモチーフとなったのは、風光明媚なアメリカの砂漠の崖、荒々しい峡谷、壮大な砂の平原でした。クリムゾンリッジはどこを切り取っても、コロラド州、ネバダ州、アリゾナ州、ユタ州などで見られる息をのむような絶景を思い起こさせるものになっています。レッドロックキャニオン国立自然保護区、ザイオン国立公園、モニュメントバレーなどは、このマップの雰囲気に特に貢献しています。

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舞台設定とのつながり

クリムゾンリッジのアイデアのコンセプト、中核となる環境はどのようになっているでしょうか。

チームは、ゲームの荒廃した地球の雰囲気に直接関係するオブジェクトや場所を作ることで、『Steel Hunters』の舞台設定を前面に押し出すシナリオを考えました。

マップの中心部には巨大なロケット発射台があります。本編で描かれた宇宙ステーション移住計画の一環として、ここから避難シャトルが打ち上げられました。

砂の大地を形作る

では、実際のマップの作成過程を見ていきましょう。

最初にクリムゾンリッジの中心的なアイデアがコンセプトアートチームから提出されると、すぐにレベルデザイナーたちが図面上の簡略化されたスキームを元に、可能性のあるランドマークを配置しながらクリムゾンリッジを構築し始めました。マップの"ビフォー"と"アフター"で、その断片を確認してみてください。

それから、いつものようにレベルデザインのルーティンともいえるグレーボックスのブロック化(MTWの創刊号で述べたように、これは基本的にオブジェクトを最も単純な3Dの形で提示するものです)、大まかな周囲のプレイテストのトライアウト、そしてアートチームのためのクリエイティブなカラーリングといった課題に取り組みました。

一般的な環境作りのパイプラインは大きく変更され、マップの寸法はメリーランドハイツと同じにはならず、関心ポイント(ゲームモードのイベント)はテーマもサイズもまったく異なっていました。その後、クリムゾンリッジはチームに"新鮮な空気"を吹き込んで開発を一歩前に進め、チームは開発のさまざまな段階で新しい戦略や技術を試すことができるようになりました。

マップに取り組む一方で、私たちの3Dアートチームは、(宇宙船施設にあるような)本当に巨大なオブジェクトの構築に挑戦しなければなりませんでした。視覚的に魅力あるもにすると同時に、マップ全体のサイズに収まるようにする必要がありました。また、すでに多くの自然物で埋め尽くされている視覚ゾーンの分離も重要な課題でした。

景観デザインとナビゲーションのアプローチも大きく変わりました。デザイナーは、広範囲におよぶ都市のような大きなテーマゾーンの作成から、特徴的な恐竜の像ようなローカルなランドマーク(より小さなオブジェクト)の作成に移行しました。これによって、より細部まで作り込まれた本物のオブジェクトを作ることが容易になりました。

ゲームプレイの面でもいくつかの革新がありました。砂漠の舞台には、閉鎖されたエリア、トンネル、通路があります。そのため、マップには縦方向のゲームプレイが組み込まれ、特定の場所のさまざまな階層にいるプレイヤー間の相互作用が確保されました。例えば、高台から射撃したり、岩陰に隠れたりすることができます。その最たる例が発射施設で、宇宙船発射センター、ロケット発射台、管制センターがある大きな円形の多階層プラットフォームになっています。ここでは、自分が砂地の高台から発砲し、相手が下のトンネルから反撃してくるときに、ゲームプレイの多様性が特に感じられるでしょう。

実は、このマップはもともと今よりも大きかったのですが、チームはそれを縮小しました。このため、マップの境界線の外側にオブジェクトが見えることがあります。

現在、チームはクリムゾンリッジをブラッシュアップし、目を引くビジュアルと、ゲームプレイを多様化させる新しいロケーションを追加しています。例えば、サンドアニメーションの導入や、まったく新しいエリア(円形劇場)の建設などに多くの努力が費やされました。

 

主要スポットに隠されたインスピレーション

前述したように、クリムゾンリッジのメインとなるランドマークは発射施設で、舞台設定によれば、何千人もの入植者を乗せた宇宙船を軌道に打ち上げるために作られたものです。マップのかなり大きな部分を占め、発射台だけでなく、フレームディフレクター、地下トンネルを使ったユーティリティ、燃料貯蔵所などの追加的な技術インフラで構成されています。

この写真のような美しい場所を作り上げるため、チームはケープカナベラル宇宙軍施設発射場(アメリカ、フロリダ州)、ヴァンデンバーグ宇宙軍基地(アメリカ、カリフォルニア州)のインフラ、バイコヌール宇宙基地(カザフスタン)、グルーム湖(アメリカ、ネバダ州)などの数多くの宇宙港や空軍基地からインスピレーションを得ました。

ケープカナベラル宇宙軍施設発射場

バイコヌール宇宙基地

ヴァンデンバーグ宇宙軍基地

 

マップの魅力的な設定と中心的なアイデアに加えて、環境の多様性を高め、プレイヤーのナビゲーションを容易にするために、特徴的なランドマークが必要でした。私たちチームのデザイナーは通常、マップが作成される地理的な場所に固有の参照として、現実世界のオブジェクトを選択します。そこで、クリムゾンリッジの主な砂漠バイオームに合わせ、チームはキャンプ場、レクリエーションエリア、トレーラーパーク、小さな集落などを追加しました。

そしてもちろん、アメリカは恐竜の歴史が豊かな国として知られ、恐竜をテーマにした遺跡や博物館がたくさんあります。そのため、恐竜をテーマにした場所(マスコット像、「ディノケイブ」ゾーン、遊園地「ディノランド」など)がマップを埋め尽くしました。

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F最後に

もちろん、マップであなたが歩き回るすべての場所は、現実に対するアーティストの創造的な解釈を表しています。現実世界の参考資料の影響はあるにせよ、あなたが目にするものの多くは、チームの頭の中で作られたものです。

現在チームは、ロケットの発射台のような巨大なものから看板やイースターエッグのような小さなものまで、まだ皆さんに発見されていないものの作り込みに没頭し、創造的な重労働に日々追われています。

メリーランドハイツよりも、『Steel Hunters』の世界に直接関係する見どころがたくさんあるこのマップは、私たちのゲームの舞台設定が明らかになった最初のマップとなりました。私たちは今後もこの開発の方向性を推し進め、舞台設定を伝えるより多くの要素を追加し、これまで以上に荒廃した地球の雰囲気を深く追求していきます。